2023年08月26日

外科手術

甲状腺腫瘍

どんな病気?

甲状腺腫瘍とはその名の通り甲状腺に腫瘍ができることです。
主に甲状腺癌甲状腺腫などがあります。
犬では90%程度が悪性(甲状腺癌)とされ、1/3の確率で転移が発見されると言われています。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能亢進症を呈する場合もあります。

症状としては特徴的な症状を示すことは少ないですが、
・呼吸困難
・発咳
・食欲不振
・嚥下困難
・発生障害
などがみられることがあります。

症状はないですが、頸部にしこりができたと来院される方もいます。
また好発犬種としてビーグルが多いので高齢のビーグルは要注意です。

犬では甲状腺機能亢進症を認めることは稀で、検査で異常を認める場合は腫瘍の確認を必須で行います。

症例情報

この子は当初、頸部椎間板ヘルニア疑いで受診されました。
確定診断の為にMRIを撮影してもらったところ、偶発的に甲状腺腫瘍が発見されました。
頸部椎間板ヘルニア疑いに対しては一先ず内服による治療を実施し、優先度の高い甲状腺腫瘍摘出術を実施することになりました。摘出した甲状腺腫瘍は1㎝弱の大きさでした。

治療方法は?

第一選択は外科手術ですが、甲状腺腫瘍の大きさや周囲組織への浸潤度、転移しているかどうかによって化学療法や放射線療法の選択肢も検討されます。
その子その子によって腫瘍の形は様々なため、獣医師と相談のうえで治療方針を決定していくことが重要になってきます。

まとめ

甲状腺腫瘍のほとんどが悪性であるため、何か異常があれば病院の受診をお勧めします。
甲状腺腫瘍は首元を触った際にしこりのようなものがあるなどで発見されることもあります。
愛犬、愛猫との日々のスキンシップを大事にすることで早期発見につながる場合もあるためふれあいはこまめに行いましょう。

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