2023年09月26日

外科手術

子宮蓄膿症と鼠径ヘルニアが併発した症例

症状

今回の症例は、子宮蓄膿症(パイオメトラ)と鼠径ヘルニアが併発した症例です。

一般的に
子宮蓄膿症の症状は、

・多飲多尿(お水をよく飲む、おしっこをよくする)
・食欲がない
・元気がない
・お腹が腫れている
・体重が急に増えた
・陰部から膿や血が出ている

鼠径ヘルニアの症状は、

・股の部分が腫れている
・嘔吐/下痢/便秘などの消化器症状
・痛み
・排尿障害
・食欲不振
・歩き方がおかしい・ガニ股歩き
・元気がない・動こうとしない
・腹部を触られるのを嫌がる


今回の子は、鼠径ヘルニアを併発しており、膿の溜まった子宮が股の部分にげんこつ大に出てきていました。皮下の腫瘤として、細胞診を実施しようと針を刺してしまわない様に注意が必要です。
術前の超音波検査では、内部構造が不明瞭で、手術まで内部が本当に子宮なのか迷うほどでした。

治療方法

外科手術(卵巣子宮摘出術)
膿の溜まった子宮と同時に卵巣も摘出しました。
摘出の際、鼠径部のヘルニア輪を膿が溜まった子宮が通らなかったため、一度膿を排出した後お腹の中に戻しました。
手術時は、体の中に膿が漏れ出ないように再診の注意を払う必要があります。
重症な子は、細菌の毒素の影響でショック状態に陥ることも有るため緊急度の極めて高い病気になります。

膿の貯留がごくわずかで膣から排出される場合は内科治療が可能なケースもあります。しかしながら、再発するリスクも有るため、基本的には子宮摘出が推奨されます。

治療後

治療後は、急性期を乗り越えることができれば、少しずつ体調を回復していきます。5日前後の入院の後、自宅での療養に移ります。

今回の子は、術後の経過も大きく崩れることなく、退院していきました。
鼠径ヘルニアと子宮蓄膿症の併発はあまり遭遇する機会は稀です。
避妊手術やヘルニアの整復は若齢のときに実施しておくことが推奨されます。

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