2023年09月26日

外科手術

環軸亜脱臼(環軸椎不安定症)

他院で環軸亜脱臼(環軸椎不安定症)と診断され、セカンドオピニオンでご来院されました。

症状

来院時の症状は
・起立困難
・震え
・上目遣い
・頸部の痛み

環軸亜脱臼(環軸椎不安定症)とは、環椎(第一頚椎)と軸椎(第二頚椎)からなる環軸関節(頭部と首をつなぐ関節)が不安定になり脊髄の損傷が生じる病気です。
脳から出た脊髄神経の内、呼吸や循環、体温調節などをコントロールしている重要な神経系も存在し、少しの損傷で死に至ることも有る部分です。

症状が重度の場合は
・呼吸困難
・意識混濁(意識がはっきりしない)
・異常体温

などが見られることもあります。

この子は幸い、来院時に呼吸状態の変化認められませんでした。

治療方法

内科治療

・安静治療
・疼痛管理
・バンテージ療法
を開始しましたが、内科治療ではあまり良い反応が認められませんでした。

その他疾患の除外・併発疾患の確認・手術計画のため、
CT検査とMRI検査を実施し、外科治療へと移行しました。

外科治療

外科治療では、骨に特殊なピンを数本挿入して、骨セメントで固める方法を用いました。少しでもズレてしまうと、生命の維持に欠かすことのできない延髄という部位を傷つけてしまいます。慎重な手術と麻酔の連携が必要になります。

治療後

外科治療後は、安静療法を継続しています。
安静療法は、飼い主様にもワンちゃんにもストレスを感じるものになります。
病院スタッフも含め、三人四脚で治療を継続しています。

術後は少しずつ症状が改善し、運動制限は解除。
今では元気に走り回っています。
リスクの高い病気ですが、飼い主様、ワンちゃんともによく頑張ってくれました。

※患者の取り扱いには細心の注意が必要です。
検査時にも注意が必要です。
過度に、首を刺激してしまうと症状の悪化につながることがあります。
おかしいな?と思った際には、一度動物病院への連絡の上診察までの指示を仰ぐようにしましょう。

症例一覧に戻る