2024年05月05日

眼科

白内障

症状

・眼が見えていない
・眼が白くなった

病態

白内障とは本来透明であるはずの水晶体が変性し、白色に変色した状態です。
原因は多岐にわたり、加齢、外傷、遺伝、放射線、先天性、糖尿病等が知られています。

分類として初発白内障、未熟白内障、成熟白内障、過熟白内障と4つのグレードに分類されていて、成熟白内障以上のグレードでは視覚喪失を伴います。

白内障の続発性疾患として緑内障水晶体脱臼水晶体起因性ブドウ膜炎(LIU)と呼ばれる疾患が存在します。
LIUや水晶体脱臼は疼痛が認められることがあり、緑内障は視覚をが喪失し、かつ激しい疼痛を伴うため、白内障に対しての早期の治療と適切な診断が必要です。

治療方法

白内障の根本的な治療法は外科手術です。その他には内科療法も存在します。

内科療法は白内障そのものを治療したり進行を抑制するものではなく、白内障の続発性疾患であるLIUや緑内障を予防/治療する目的で選択されます。

外科手術と内科療法では続発性疾患を引き起こす確率が大きく異なります。

基本的に外科手術が続発性疾患を予防できる確率が高く、視覚の回復も期待できるため手術を希望される方は多いですが、麻酔リスクの観点や費用面から内科療法を選択される方もいらっしゃいます。

白内障手術は、高度な手術手技ならびに特殊な手術機器が必要なため、眼科専門医が在籍する眼科二次診療施設への紹介が必要となります。

まとめ

白内障そのものを治療したり進行を抑制する点眼薬は存在せず(効果が一部報告されている薬剤はありますが、獣医学領域における科学的根拠は乏しいとされています)、あくまで続発性疾患の予防/治療目的で点眼薬を使用します。

根本的な治療は外科手術ですが、外科手術と内科療法のいずれも続発性疾患を併発する恐れがあります。

患者さんに合わせた治療法を提示させていただき、治療を進めていくことが大切です。

症例一覧に戻る