2024年05月26日

眼科

網膜剥離

症状

・目が急に見えなくなった
・歩くとぶつかる、つまずく

病態

網膜には視細胞(桿体細胞、錐体細胞)が存在しており、眼内を透過して得られた像を脳に届け、視覚として認識するための重要な組織です。

網膜に何かしらの障害を受けると視覚の喪失もしくは低下を引き起こします。

また、網膜は脈絡膜に接続されていますが、このつながりが弱いため剥離を起こしやすいと言われています。

上記でも触れましたが網膜剥離とは脈絡膜から剥離した状態を指します。網膜は脈絡膜から栄養供給を受けるため、網膜が剥離した状態が一定期間続くと、網膜が回復不可能な障害を受けることとなります。

原因

裂孔原性、滲出性、牽引性が挙げられます。

裂孔原性は犬で最も多い原因です。

高齢な猫では、全身性高血圧症の代表的な症状として、滲出性網膜剥離による失明が挙げられます。

診断方法

眼底検査、超音波検査で剥離した網膜を検出することで診断が可能です。

治療方法

点眼薬で網膜剥離を整復することは出来ません。

手術で剥離した網膜を正常な位置に戻すことで視力の回復を期待しますが、非常に高度な手術技術であり、眼科専門二次施設への紹介が必要となります。

また、網膜剥離が発症してから、可能な限り早急な手術(目安として1ヶ月以内)が必要になってきます。

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