2024年02月07日

循環器

犬の弁膜症

どんな病気?

中~高齢の小型犬で起こりやすい心臓の病気です。

心臓には弁装置が存在します。
弁装置とは、心臓の各部屋や心臓と血管との間にあり、血液が逆流をするのを防ぐための構造です。

しかし、弁膜症ではこの弁装置が変形することで、弁のしまりが悪くなり、血液が逆流してしまいます。それにより心臓に負担がかかり、様々な影響が出てきます。

最も多いのが僧帽弁といわれる、左の大きい部屋を区切る弁の病気です(僧帽弁閉鎖不全)。
三尖弁といわれる、右側の心臓の仕切りが悪くなることも少なくはありません(三尖弁閉鎖不全)。

症状

・呼吸困難
・咳やゼイゼイとした呼吸音
・食欲不振
・運動量の低下(運動不耐性)
・体重減少/増加
状況によっては急死になる可能性も大きい病気です。

原因

弁膜症の原因は明らかではありません。

遺伝的な要因が疑われ、生まれながらにしてリスクを抱える犬種もあります。
次の犬種には注意しなければいけません。病院への受診時には必ず心臓の音を聞いてもらうようにしましょう。

○キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
○チワワ

○シーズー
○ミニチュア・シュナウザー

中年齢や老齢の小型から中型の犬種で発症が多くみられ、病気の発生率と進行度は年齢とともに上昇します。

治療方法

弁膜症の治療方法には、内科的治療と外科的治療があります。

内科的治療

心臓の機能をしたり、負担を軽減させる治療です。
アメリカ獣医内科学学会を中心に投与の基準が定められています。
基本的に生涯継続して内服します。
また、定期的に心臓の検査をすることでコントロールできているかの確認も必要です。

外科的治療

変形してしまった弁の形を修復し、閉まりを改善する手術です。
進行度や症状により適応うが変わってきます。
また、できる施設や獣医師が限られており実施に至るまで計画を立てていくことが大切です。

気を付けること

・家での呼吸状態がおかしい
・咳が気になる
・最近疲れやすい気がする
・心臓の雑音を指摘されたことがある
当てはまる方は、悪化する前に一度検査をおすすめします。

当院では循環器内科の専科診療を実施しております。
お気軽にご相談ください。

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