2023年09月28日
脾臓間質肉腫(脾臓腫瘍)
血尿の症状から、夜間にご来院されました。
血尿は細菌性膀胱炎からの症状で、脾臓の腫瘍からの症状ではありませんでした。
症状
膀胱の精査で腹部超音波検査をした際に、偶発的に脾臓の腫瘤(2cmほど)を見つけました。
腫瘍などの出来物はお腹の中にできると、ほとんどが大きくなるまで症状が見られないことも多いです。
今回は、他の症状でのご来院でしたが、早期発見ができました。
一般的な症状としては、
・元気がない、食欲が減った
・お腹を痛がる
・吐いている
・お腹が腫れている
・ふらつく
などがあります。
おかしいなと思ったらまずは相談しましょう!
治療方法
脾臓にできるできものは、犬で50~60%、猫では35%前後が腫瘍性病変と報告されています。
犬では血管肉腫、猫では肥満細胞腫やリンパ肉腫が多いと言われています。
脾臓完全摘出
腫瘍の診断は、細胞診検査や組織生検で実施されます。脾臓の腫瘍は悪性度の高いものも多い点、脾臓の摘出は深刻な合併症は起こさないと言われている点から完全切除を選択しました。
治療後
脾臓の病理検査を提出したところ脾臓間質肉腫と診断がつきました。
脾臓の間質肉腫は線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫などの総称です。
転移することがしばしばあり、特に肝臓に転移します。治療後は定期的な検査が必要になります。
今回の子は10ヶ月弱経過していますが、再発なく元気に過ごしてくれています。
早期発見、早期治療。
動物も予防治療が大切です。今回は健康診断の有用性を改めて実感しました。